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岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.435 - 449, 2023/04
被引用回数:3 パーセンタイル:66.21(Nuclear Science & Technology)加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学臨界実験装置(KUCA)におけるADS未臨界炉物理の基礎研究を目的として、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用いて107MeV陽子による鉄、鉛及びビスマス標的に対する二重微分中性子収量(TTNY)を測定した。TTNYは8個の中性子検出器(各検出器は小型のNE213液体有機シンチレータと光電子増倍管より構成される)からなる中性子検出器システムを用いて飛行時間法により得られたものである。測定で得られたTTNYを、粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に組み込まれたモンテカルロ法に基づく核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM, JQMD/SMM/GEM)及び評価済み高エネルギー核データライブラリ(JENDL-4.0/HE)による計算結果と比較した。JENDL-4.0/HEを含む比較対象のモデルは、検出器角度5度における高エネルギーピークを再現しないなどの特徴的な不一致が見られた。測定で得られたTTNYとPHITSによって評価した20MeV以下のエネルギー及び角度積分中性子収率を比較した結果、INCL4.6/GEMがKUCAにおけるADS炉物理実験のモンテカルロ輸送シミュレーションに適していることが示された。
岩元 大樹
JAEA-Conf 2021-001, p.24 - 29, 2022/03
放射線挙動解析コードPHITSは、加速器駆動核変換システムや核破砕中性子源施設等における放射能・被曝線量評価及び施設の遮蔽設計に重要な役割を演じるが、PHITSの核破砕反応を記述するモデルINCL4.6/GEMは核分裂生成物の収量を大幅に過小評価することが知られており、モデルの高度化が求められている。本研究では、核分裂生成物の収量予測に重要なパラメータとなる「核分裂確率」を現象論的に記述するモデルを提案し、このモデルを粒子輸送計算コードPHITSに組み込まれている脱励起過程計算コードGEMの高エネルギー核分裂モデルに適用した。実験値との比較の結果、広範囲のサブアクチノイド核種に対する陽子入射、中性子入射及び重陽子入射反応に対して、核分裂断面積を統一的に予測でき、その予測精度は従来モデルよりも大幅に改善することを示した。さらに、本モデルを用いた解析により、核分裂生成物の同位体分布を精度よく求めるためには、核内カスケード過程計算コードINCL4.6における高励起残留核の記述の修正が必要であることを明らかにした[1]。これらの研究成果により、日本原子力学会核データ部会賞学術賞を受賞した。本研究会では提案したモデルおよび研究成果内容について報告する。[1] H. Iwamoto and S. Meigo, "Unified description of the fission probability for highly excited nuclei", Journal of Nuclear Science and Technology, 56:2, 160-171 (2019).
竹下 隼人*; 明午 伸一郎; 松田 洋樹*; 岩元 大樹; 中野 敬太; 渡辺 幸信*; 前川 藤夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 511, p.30 - 41, 2022/01
被引用回数:6 パーセンタイル:64.12(Instruments & Instrumentation)1.3, 2.2および3.0GeVの陽子入射によるMnおよびCoの核種生成断面積を放射化法によりJ-PARCで測定した。Mn(p,X)S, Mn(p,X)Ar、およびCo(p,X)Sの生成断面積を世界で初めて取得した。安定した陽子ビームと確立されたビームモニタにより、系統的不確かさを典型的に5%以下に低減することができ、過去のデータよりも優れたものとなった。核破砕反応モデルと評価済み核データライブラリの予測精度の検証のため、測定データをPHITSの核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JAM/GEM)、INCL++/ABLA07、およびJENDL/HE-2007ライブラリの断面積と比較した。平均二乗偏差係数の比較により、INCL4.6/GEMとJENDL/HE-2007は他のモデルよりも実測データとのよい一致を示すことがわかった。
岩元 大樹; 明午 伸一郎
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011046_1 - 011046_6, 2021/03
核反応で発生する核破砕中性子の収量(核破砕中性子多重度)は、加速器駆動核変換システム(ADS)やJ-PARC等の核破砕中性子源施設の核的性能および遮蔽設計値を決定するうえで極めて重要なパラメータであり、これらの施設設計の信頼性評価では、核破砕中性子多重度の不確かさに関する情報が必要となる。本研究では、ADSおよび核破砕中性子源施設で使用される代表的な4つの標的物質(鉛,タングステン,鉄および炭素)に対して、100MeVから3GeVまでの陽子入射による核破砕中性子多重度の不確かさを評価した。本評価では、過去に世界の加速器施設で測定された陽子入射中性子生成二重微分断面積の実験データをもとに、モンテカルロ粒子輸送計算コードPHITSの核反応モデル計算コードINCL4.6/GEMを用いて統計学的手法により不確かさを求めた。解析の結果、核反応モデルは4標的物質に対して実験値を比較的よく再現するものの、その再現性は標的によって異なり、実験値の不確かさおよび実験値間のばらつきにより、標準偏差に換算して28%から45%程度の相対的不確かさを持つことがわかった。今後は、本研究で得られた不確かさ評価結果をもとに、ADSや核破砕中性子源施設の核設計および遮蔽設計の信頼性評価を実施する。
岩元 大樹
核データニュース(インターネット), (128), p.13 - 25, 2021/02
近年、核破砕反応で発生する中性子を利用した物質科学研究や産業応用が世界規模で展開されている。そこでは、施設の利用や放射線安全の観点から、核破砕反応で生み出される二次粒子や核破砕生成物に起因する放射線量や放射能量に対する予測精度の向上が求められている。本稿では、核破砕反応の基礎およびこれを記述するための核反応モデルが直面している課題について説明するとともに、この課題を解決すべく取り組んだ研究および研究成果(2020年度核データ部会賞学術賞受賞)について紹介する。
岩元 大樹; 明午 伸一郎; 松田 洋樹
EPJ Web of Conferences, 239, p.06001_1 - 06001_6, 2020/09
被引用回数:1 パーセンタイル:72.11(Nuclear Science & Technology)モンテカルロ粒子輸送計算コードは、加速器駆動核変換システム(ADS)及びJ-PARC等の高エネルギー陽子加速器・大強度中性子源施設の遮蔽設計で重要な役割を演じるが、モンテカルロ粒子輸送計算コードに組み込まれている核反応モデルは高度化の余地が残されている。本研究では、被ばく線量評価・放射能量評価で重要な核破砕生成物の核種生成断面積に関する実験データ及びモンテカルロ粒子輸送計算コード(PHITS, MCNP6及びGEANT4)で使用される最新の核反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD2/GEM, JQMD2/SMM/GEM, CEM03.03, INCL++/GEMINI++, INCL++/ABLA07等)による解析結果と比較することで、現状のPHITS核反応モデルの予測精度を把握し、高度化に向けた課題を摘出した。実験値との比較では、ADS及び核破砕中性子源施設で重要な400MeVから1GeVの陽子入射エネルギー領域及び重標的核種に対する実験値を対象とし、ドイツGSIで測定された逆運動学による実験データ及びJ-PARCで測定された最新の結果を含む放射化法による実験データを使用した。比較の結果、PHITS推奨の核反応モデルINCL4.6/GEMは、核分裂生成物を過小評価し、蒸発残留核について同一元素に対して中性子過剰に評価する傾向を示すことが分かった。さらに、実験データが少ない中重核領域及び核分裂生成核種と蒸発残留核種の間の領域で、モデル間の差異が顕著であることを明らかにした。
川瀬 頌一郎
核データニュース(インターネット), (122), p.75 - 80, 2019/02
ジルコニウム-93は使用済核燃料に含まれる主要な長寿命核分裂生成物の一つである。本資料では、理化学研究所RIビームファクトリーにおいて行った、Zrに対する核子あたり105MeVの陽子・重陽子入射核破砕反応による同位体生成断面積の測定研究について紹介する。測定は測定対象の核種を標的としてではなく高速ビームとして利用する逆運動学法を用いて行い、安定核種も含む広範な同位体について生成断面積を得た。実験結果は核内カスケードモデルと一般化蒸発モデルを取り入れたPHITSによるモンテカルロ計算と比較した。
中山 梓介; 古立 直也; 岩本 修; 渡辺 幸信*
Physical Review C, 98(4), p.044606_1 - 044606_8, 2018/10
被引用回数:14 パーセンタイル:75.64(Physics, Nuclear)近年、長寿命核分裂生成物(LLFP)の核変換処理に中高エネルギーにおける重陽子入射核破砕反応を利用することが提案されている。重陽子ビームを用いた核変換システムの設計研究のためには、LLFPに対する精度の良い重陽子入射反応断面積のデータが不可欠である。本研究では、核子当たり100-200MeVでのZrおよびPdに対する重陽子入射反応からの残留核生成断面積を、分解過程を明示的に考慮した計算コードDEURACSで計算した。その結果、計算値は実験データを定量的に良く再現した。また、成分に分けた解析から、非弾性分解後の核子吸収過程が残留核生成に大きな寄与を果たしていることがわかった。こうした結果は、重陽子入射反応における残留核生成の精度の良い予測のためには分解過程を考慮することが本質的に重要であることを強く示すものである。
大井川 宏之; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; 春日井 好己; 辻本 和文; 西原 健司; 佐々 敏信; 今野 力; 甲斐 哲也; 池田 裕二郎
JAERI-Tech 2002-037, 220 Pages, 2002/03
原研-KEK大強度陽子加速器計画の一環として、加速器駆動未臨界システム(ADS)を用いた核変換技術の炉物理に関する研究開発を目的とした「核変換物理実験施設」の概念を検討した。施設は臨界実験施設として建設するが、未臨界状態で10Wまでの陽子ビームを入射できる構造とした。臨界集合体の仕様,陽子ビームを導入するためのレーザー荷電変換装置,施設の安全性,マイナーアクチニドを用いた実験等の項目について検討を行った。
佐々 敏信; 辻本 和文; 滝塚 貴和; 高野 秀機
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 463(3), p.495 - 504, 2001/05
被引用回数:15 パーセンタイル:71.15(Instruments & Instrumentation)加速器駆動消滅処理システム(ADTS)の核特性及び燃焼特性を解析するATRASコードシステムの開発を行った。ATRASは、核破砕中性子源の影響を考慮した燃焼解析を行う独自の機能を備えている。ATRASは、核破砕解析コード、中性子輸送コード及び燃焼解析コードから構成される。燃料交換、入力データ作成、計算結果の解析を行うユーティリティプログラムもあわせて開発した。ATRASを用いて核破砕中性子ターゲットの核特性解析を行った。また、ATRASを用いて、ナトリウム冷却型ADTSの核特性及び燃焼特性の解析を行った。
大井川 宏之; 池田 裕二郎; 佐々 敏信; 明午 伸一郎; 高野 秀機; 辻本 和文; 西原 健司
JAERI-Tech 2000-062, 64 Pages, 2000/09
原研-KEK大強度陽子加速器計画の一環として、加速器駆動未臨界システム(ADS)を用いた核変換技術の開発を目的とした「核変換実験施設」の検討を行っている。同施設は「核変換物理実験施設」と「核変換工学実験施設」で構成される。このうち、核変換物理実験施設は、ADSの炉物理上の課題である「核破砕中性子源で駆動される高速未臨界体系の核特性評価」、「加速器駆動ハイブリッドシステムの運転制御性検証」及び「MA及びLLFPの核変換特性評価」を目的とした臨界実験施設である。本報告書は、核変換物理実験施設について、加速器施設から陽子ビームを導入する方法、装置の概略仕様、施設の安全性確保の考え方など、施設検討で最も重要な部分についての検討をまとめたものである。
向山 武彦
原子力システムニュース, 11(1), p.5 - 13, 2000/06
大強度陽子加速器を用いる核破砕中性子及び加速器駆動未臨界炉について簡単に解説をし、次いで加速器駆動未臨界炉技術開発の現状について紹介する。現状紹介においては原研・KEKが協力して推進している「大強度陽子加速器計画」について、その経緯、目的、施設概要について述べる。また、ヨーロッパ、米国等における研究活動について紹介する。
向山 武彦
第38回原子力総合シンポジウム論文集, p.1 - 9, 2000/05
大強度陽子加速器を用いた核破砕中性子源及び加速器駆動未臨界炉の研究開発の動向について述べる。論文の構成は以下の通り。1.はじめに。2.加速器駆動原子力システム,(1)核破砕中性子源,(2)加速器駆動未臨界炉。3.ADS関連研究開発の動向,(1)原研・KEK「大強度陽子加速器計画」,(2)米国ATW計画,(3)ヨーロッパにおける動向,(4)その他。4.まとめ。
向山 武彦
原子核研究, 44(6), p.23 - 32, 2000/04
大強度陽子加速器を用いた大強度中性子源や加速器駆動未臨界炉の研究開発の現状について述べる。特に、加速器原子力システムとして核破砕中性子源の特性と既存施設の概要と将来計画について述べ、その利用方策の一つとしての加速器駆動未臨界炉の研究、研究開発計画について紹介する。
羽賀 勝洋; 武田 靖*; Bauer, G.*; Guttek, B.*
JAERI-Tech 99-018, 41 Pages, 1999/03
ESSは高出力陽子加速器を用いた5MWの出力を持つ次世代の中性子源であり、概念設計では水銀をターゲット物質としている。ターゲット容器の健全性を確保する上で、出口流路内で水銀の再循環領域の生成を抑止することが重要であるため、ドイツのユーリッヒ研究所で製作されたアクリル製のターゲットモデルを用いて水流動実験を行い、UVP法を用いてターゲット容器内の流れ場を測定した。実験では、ターゲット容器への水の全流量を0.88L/sに保持しながら、各入口流路の流量比率を1:0:1,2:1:2,1:1:1,1:2:1,0:1:0の5通りに変化させた。この結果、どの条件でも再循環領域が生じており、ターゲット容器下部の入口流路の流量比率が増すにつれ、再循環領域が大きくなることがわかった。また、ターゲット垂直断面内でもスパン方向に渦が生じていることがわかった。
佐々 敏信; 辻本 和文; 滝塚 貴和; 高野 秀機
JAERI-Data/Code 99-007, 65 Pages, 1999/03
日本原子力研究所では、大強度陽子加速器と未臨界炉心から構成されるハイブリッド消滅処理システムの設計研究を進めている。加速器駆動システムの核特性及び燃焼特性の解析は、炉心の未臨界度及びエネルギーバランスの維持という点から、重要である。これらの特性を正確に解析するには、従来の原子炉解析コードでは解析できない高エネルギー領域の反応を考慮する必要がある。著者らは、加速器駆動未臨界炉システムの核特性及び燃焼特性を解析するATRASコードシステムを開発した。ATRASは核破砕中性子源を考慮した燃焼特性解析を行う独自の機能を持つ。ATRASは核破砕解析コード、中性子輸送コード、燃焼解析コードから構成される。また、燃料交換、前/後処理等のユーティリティコードも組み込んだ。
麻生 智一; 石倉 修一*; 寺田 敦彦; 甲斐 哲也; 勅使河原 誠*; 神永 雅紀; 日野 竜太郎; 渡辺 昇*
Proc. of 14th Meeting of the Int. Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-14), 2, p.804 - 822, 1998/00
中性子科学研究計画では、5MW陽子ビームとターゲットとの核破砕反応で発生した大強度中性子をエネルギーレベルに応じて選別する高効率減速材の開発が極めて重要である。特に、超臨界水素を用いる冷減速材は、扁平、薄肉化しつつ、1.5MPa、20Kの条件に耐え、かつ、水素温度の上昇を3K以内に抑制する必要がある。構造強度解析から容器には110MPaの応力が発生し、流動実験及び解析から水素温度の局所的に上昇させる再循環流の発生が顕著なことを確認した。これらの成果を踏まえて、旋回流や噴出し流で再循環流の発生を抑制し、新しいアルミ合金を採用しつつ微小フレーム構造で強度を確保する冷減速材構造を提案した。
向山 武彦; 高野 秀機; 大山 幸夫; 水本 元治; 日野 竜太郎; 池田 裕二郎
Proceedings of OECD/NEA Workshop on Utilization and Reliability of High Power Proton Accelerators, p.77 - 86, 1998/00
中性子科学研究計画の概要について説明し、そのなかでオメガ計画がどのように展開されるかについて述べる。内容は、中性子科学研究計画の経緯、研究施設とそこで展開される基礎研究、加速器駆動消滅処理技術開発、大強度陽子加速器の開発、核破砕ターゲットの開発、中性子科学研究計画のスケジュール等である。
遠藤 章; 高田 弘; 山口 恭弘
JAERI-Data/Code 97-039, 37 Pages, 1997/10
高エネルギー陽子による核破砕反応で中性子発生用金属ターゲット中に生成され、かつ、ICRPにより線量係数が与えられていない11種類の放射性核種について、それらの吸入摂取に対する線量係数を計算した。計算にはICRP Publ.66の呼吸気道モデルに基づくLUDEPコード及びNUDATの放射線データを用いた。これらを用いて計算される線量係数の妥当性を評価するために、66核種についてICRP Publ.68の線量係数との比較を行った。本計算方法で算出される線量係数は、計算に用いる放射線データが大きく異なる核種を除けば、ICRP Publ.68の値と良く一致することを確認した。計算された線量係数を基に、年摂取限度及び空気中濃度限度を算出した。これらの線量係数、限度等は、大型陽子加速器施設における換気設備等の設計や的確な内部被ばく防護を実施するうえで極めて有効である。
大坪 章; 小綿 泰樹
PNC TN9410 97-029, 39 Pages, 1997/03
動燃では現在加速器による消滅処理研究の一環として、大電力電子線形加速器の研究をしている。そこで応用利用技術の一つとして、電子加速器とTRU燃料を用いた未臨界炉心体系を組み合わせたハイブリッド炉の核熱計算を昨年度行った。加速器と未臨界炉心体系を組み合わせたハイブリッド炉としては、良く知られているように電子加速器以外に陽子加速器を用いるハイブリッド炉がある。今年度は陽子加速器を用いるハイブリッド炉の核熱計算を実施して、両方のハイブリッド炉のTRU消滅特性を比較した。陽子加速器で加速された陽子ビームを、未臨界炉心体系の中央に位置するターゲット部に入射する。そして核破砕反応により中性子を発生させる。発生した中性子は周囲の未臨界炉心体系に入り、TRUを消滅させる。計算の結果、ビームパワー1MWの陽子線を1年間keffが0.95の未臨界炉心体系に入射した場合、TRU消滅量は約10kgになった。このTRU消滅量は、昨年度検討した電子加速器を用いるハイブリッド炉の場合のTRU消滅量の、約100倍である。